整備事例ご紹介します③

query_builder 2023/03/16
ブログ

こんにちは、亀ちゃんです。


今回は整備事例の第三弾です。


ある月曜日の朝一、当社の電話が鳴りました。


ホームページをご覧になったお客様で、前の晩、急にエンジンのチェックランプが点灯し、エンジンはかかっているものの、かなり不調であるとの事。


電話だけでは埒が明かないので、来店して頂く事になりました。


そして待つこと数十分、当社は道路から少し入る形になるのですが、その瞬間、一本死んでる(複数あるシリンダーの内、少なくても一本以上のシリンダーが爆発していない)排気音が聞こえてきました。


しかも、車がアウディのTTクーペ。


我々、自動車整備振興会の会員はファイネスというのに加入していれば、国内メーカーのほとんどの車の資料が見放題なのですが、このファイネス、外国メーカーの資料がほとんど掲載されていない。


旅行に行くのに、地図もガイドも持っていないのと同じような状況。


しかし、所詮はガソリンエンジン、エンジンの基本は、万国共通のハズ・・・


三十数年前に、専門学校で習ったガソリンエンジンの基本、良い圧縮、良い燃料、良い火花の三要素の内、何か異常があるに違いない。


まずはどのシリンダーが爆発していないか、特定する事が先決です。


これまた基本のパワーバランスという手法を用いて、爆発していないシリンダーを特定していきます。


国内メーカーの車であれば、エンジンをかけたまま、スパークプラグに繋がっているイグニッションコイルを引き抜き、火花を出ない状態にして、更に調子が悪くなるかを診るのですが、このTTクーペ、恐ろしいほどコイルの配線が短く、とてもコイルを引き抜くことが出来ませんでした。


どうしたものかと眺めていると、目の前に燃料のインジェクタ(燃料を霧状に噴射する部品)のコネクタを発見。


シリンダーを爆発させなくするには、火花をカットするのも、燃料をカットするのも意味は同じ。


早速、1番シリンダーのコネクタを外してみると、エンジンがガクッとなり、エンジンの音も弱くなったような気が、続いて2番、ガクッ、3番、ガクッ。


残すは4番だけですが、逆に4番も同じように調子が変化すると、振り出しに戻ってしまう。


半ば祈るように4番のコネクタを外してみると、おやっ、変化が無い。


何度やっても同じ結果。


よしよし、次は不調の原因を特定するぞ。


これも基本の手法で、正常なシリンダーと異常なシリンダーの部品を取り換えるというもの。


異常が考えられるのは、スパークプラグ、イグニッションコイル、インジェクタのいずれかである。


今回は4番が異常なので、スパークプラグを1番と4番、イグニッションコイルを2番と4番に取り換えてみました。


再度、パワーバランスを行ってみると、1番、ガクッ、2番、変化なし、3番、ガクッ、4番、ガクッ、という結果になりました。


すなわち、2番に移したイグニッションコイルが不良で、火花を出す事が出来なかった為、爆発しなかったと推測。


不良は1本だけでしたが、同じ部品を使っている為、お客様と相談の結果、すべてのコイルを交換する事になりました。


部品が来るまでの間、ネットで検索してみると、同じ車で同じような不具合の事例がゴロゴロ。


部品を交換した後、診断機を接続してみると、思った通り、排ガス異常の為、チェックランプがついたことも判明しました。


試乗した結果も良好で、ホッと一安心といったところでした。


改めて、基本って大事だなと思わせる案件でした。


それでは、また。













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